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バスケと渡辺くん
私はさっそく体育館へと向かっていく。
体育館に行く途中、数人の人とすれ違ったが、渡辺くんの姿はなかった。
少し不安になりながらも、そおっと体育館のドアを開ける。
ギィーーーー
音を立てて開けると、広いバスケットコートが目に入った。
二面あるコート。
手前が男子バスケット部。
奥が、女子バスケット部だ。
私は、邪魔にならないよう中に入ると、コートの端を通っていく。
歩いてると、
突然、
男子バスケットの数人のかたまりが目に飛び込んできた。
ボールを勢いよく追いかけてくる皆
皆が見えたと思ったその時はもう私の近くまできていた。
猛然と突っ込んでくる。
ボールを奪う人、
ドリブルで逃げる人。
ボールを自由自在に操る姿だった。
ボンボンボンと音がする。
ボールは空中を舞い、ゴールの網にめがけて飛んでいた。
すごい!!
ーすごい迫力だわ~。
私は少し逃げるようにコートから離れた。
またゴンという音がして振り向くと、
「ナイスシュート!!」
という声が響く。
私も思わず、
ナイスー
と小さく言ってしまう。
初めて近くで見たバスケット。
圧倒的だった。
男子の方を見ると渡辺くんがいた。
いたんだ…
渡辺くん…
コートの端で見ていた渡辺くんと目があった。
彼は…にこにこと笑ってる。
やっぱり来てたんだ…。
私はまんざらでもなかった。
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