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朧から外出禁止令が出されて、既に1ヶ月。
「暇すぎて死ぬ…」
縁側で寝転んでいたら、朧に蹴飛ばされてゴロンと地面に落ちた。
「何すんだよ…」
「……掃除、洗濯、畑仕事、水汲み、狩り、炊事、子供の相手。こっちは全く暇じゃ無いんだけど。」
「んだよ、手伝えばいいんだろ。」
「『手伝う』じゃなく、率先してやるのが役目だよね。落ちてた子供育てる気ないなら、俺が捨ててくるけど、いいの?」
「嬉しそうに面倒みてるくせに。」
「は……?何か言った……?」
「いえ、何でもございません。」
朧様がお怒りだ…。逆らわないでおこう。
「なぁ、買い物には誰が行ってんだ?」
「愚問じゃない?俺しかいないよね。」
「俺には『都に行くな』って言ったくせに…」
「月夜が買い物に行ったら、なかなか帰ってこないからだよ。すぐ呑み歩くし、無駄に金使うし。」
……言い返せねぇ。
「それに、月夜は現状を調べる気もないでしょ。」
「現状?」
「俺達が都でどう言われてるか…。」
「んだよ、まだ収まってねぇのか?」
「収まるどころか、悪化してる。最近だと『爺婆を何人も殺して川に捨ててる』って噂されてる。実際に殺人は起こってるから噂は広まる一方。」
「…朧、もしかしてお前、犯人が誰か知ってんのか?」
「知らないし。」
こいつは、嘘をつくのが下手だな…。
顔に『知ってる』って書いてあるぞ。まぁ、絶対に答えねぇだろうから、こっちも深く聞かねぇけど。
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