精一杯のありがとうを

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精一杯のありがとうを

その歌い手の少女は前から少年のことを知っていました。 それは神によって崩壊される前の世界のとき、すでに二人は出会っていたのです。 彼は知りません。 でも彼女は知っているのです。 学校でひどいいじめに遭い、 助けてくれたのは少年だけだった。 家族にも見放されて病院にもいけない そんな彼女を明るい光で包んでいたのでます。 感謝しても仕切れないと思っているだろう。そして今後こそ彼にあの二文字を言うことができるのかを。言ってしまえばこの世界から消えてしまうのだから。 「いきたくないと思うのは いきたいと行くこと。 私の価値は私しか知らない。 私の秘密は私のお守り」 彼女は彼と出会い、恋をし、愛すると言うことを実感することができれば満足なのでした。 少年を救うには彼女が必要であり、又、それは彼女も同様であった。 でも、時間は莫大にあるわけではなく、彼女も例外ではなかった。 もう時間がないのだ。 次彼に会うときが最後だと本能で感じていたのだ。だから彼が生きていられるように何かを隠したのだ。 彼が思い出しても出さなくても物語は進んでいたのかもしれない。
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