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世界の終わり
西暦xxxx年、この世は焼土となり、先人たち残していった文明が終わりを告げた。
そして、建物や食べ物、音楽、本、全て塵とかした。
人類も同じであり、たった一人の少年と少女を残して滅亡してしまった。
きっとこれは天罰なのだろう。
科学の発展を望み、神を信仰しない人が多くなり、人々の間で常に嘘が入り混じれるようになってしまった世の中を見て、ひとり子を与えた神は、深く深く深く懺悔しただろう。
そして、神が人をつくり、滅ぼす道を決めたのであろう。
望まなかったのであろう。
現代になっても人の醜さは変わらなかった。
アダムを作ったことからかにわたり、ノアの方舟やユダ、エチオピア、エジプトの時代を見続け、たった一つの願いを込めてひとり子イエスを送り、それからずっと見ていたが、何も変わらなかったのであろう。
無常だ。
冷徹だと言われ続けるだろう。
しかし、いくら神でも冷徹になりきれなかったのだろう。ずっと見てきたことによって、人の汚いところも楽しいところも見ていた神によってそれが可能になったのである。
だからこそ、望み薄だが少年と少女を残した。希望となるように。
まだ何も知らない子供だからこそ、綺麗なままで続くかもしれないと。
一種の願いによって。
生かされたのだ。
あぁかわいそうに。
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