怪しい魔術

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香織がエレベーターを待っていると、1人の女性社員が来た。 「おはようございます」 香織はとりあえず挨拶をした。 相手は小さく会釈を返してきた。 エレベーターが到着して、香織は女性社員と一緒に乗り込む。 「何階ですか?」 「1階です」 香織は1階のボタンを押し、閉まるのボタンを続けて押した。 7階から1階まで到着するのに沈黙が続いた。 チーンッ。 1階に到着し扉が開いた。 香織は女性社員に手でお先にどうぞと合図をした。 「ありがとうございます」 女性社員はお礼を言って降りようとした時、バランスを崩して香織にぶつかってしまった。 「大丈夫ですか?」 「すいません、貧血っぽくて。それではお先に失礼します」 女性社員は足早に去っていった。 香織もその後に続いてエレベーターを降りた。 会社を出ようとすると警備員の中野さんと目が合った。 「おはようございます」 「お! 岡田さん、会社泊まったの?」 「はい。仕事終わんなくて……」 「あんまり無理はしないでね。岡田さんがいなくなったら話し相手いなくなっちゃうからさ」 「気をつけます!」 「いってらっしゃい」 実際の所、香織自身も中野さんから元気を貰っている。 朝から元気に話しかけてくれるのはありがたいと感じるタイプなのである。
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