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香織は会社を出てすぐ横にあるコンビニに入った。
レジでアメリカーノを2杯とクロワッサンを2つ注文し、財布を取り出そうとポケットに手を突っ込むと紙くずの様な感触があった。
「なんだろう?」
香織は恐る恐るポケットから取り出すと、小さな紙に不思議な模様が描かれていた。
香織はとりあえず怪しい紙をポケットに突っ込み、コーヒーとパンの代金を払った。
テイクアウトの紙袋を受け取り会社へ戻る途中、さっきの怪しい紙を取り出してみた。
「何これ? 私こんな変な模様わざわざ描かないし。誰がこんなイタズラをしたのかしら」
不思議に思いながらオフィスへと戻った。
オフィスには春也がつまらなそうにしてお留守番していた。
「おかえり。待ちくたびれたよ〜」
「ただいま。ねえ、もしかして変な紙、私のポケットに入れた?」
「いや、入れてないけど。どんな紙なの?」
香織は変な模様の紙をポケットから取り出し広げて見せた。
「これなんだけど……」
「これって御札じゃない?」
「御札? あの人を呪ったり悪霊を封印するやつ?」
「そうそう。俺こないだ隣の部署の佐々木さんから御札貰ってさ」
「そうなんだ。でもこれ気味悪いか捨てても良いかな? でも祟りとかあると怖いしな……」
「俺後で佐々木さんに聞いてみるよ!」
「ありがとう。頼むわ」
香織と春屋は恋人になって初めて一緒に朝食を食べたのだった。
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