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朝食が食べ終わり、春也は自分の部門の部屋に戻る。
普段よりも早く佐々木明里(26)が席に座り作業をしていた。
「佐川さん、おはようございます!」
「おはよう、佐々木さん。今日、出勤早いね」
「はい。近くに用事があったので」
「そうだったんだ。あのさ、聞きたいことがあるんだけど今いいかな?」
「はい。どうしたんですか?」
春也は香織から預かった例の御札を明里に見せる。
「実は知り合いがこんなものを見つけたらしくて」
明里は一瞬御札を手に取り確認をした。
「これはどこにでもある模倣品ですよ。きっとイタズラかなんかですね」
「本当? あぁ、良かった。リアルに変な呪いとかだったらどうしようかと思った」
「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ」
「教えてくれて良かった。ありがと!」
「いえいえ」
春也は自分の席に着くと直ぐにスマホでメッセージを送り出した。
「もっとしっかりと仕込んでこないとダメね……」
明里は春也のことを横目で見ながら呟いた。
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