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「今日も残業か……」
岡田香織、27歳。
就職活動していた時には輝かしく見えたこの会社も、今となってはくすんで見える。
残業が確定してどんよりしている香織の元に佐川春也(27)が来た。
「岡田さん、今日課長の奢りで飲み会があるんだけど参加できそうかな?」
「佐川くん、申し訳ないんだけど今日は仕事が終わらないから行けないかも。ごめんね」
「了解! 課長に伝えておく……」
「お! いい所にいた。岡田さんと佐川くん、今日は日頃の感謝を込めて私が盛大に奢るから遠慮なく参加してね! じゃあ7時に会社の前の焼肉屋で」
急に2人の会話に登場した大澤課長は一瞬にして去っていった。
「これで欠席しづらくなったわ。どうしてこんなタイミングで声掛けて来るのよ」
「飲み会の後の残業はしんどいよな。課長ももう少し気遣ってくれればいいのに。期限を明日に伸ばすとかさ」
「本当ね。まあ今日はよる後は代が浮くと思って参加することにするわ」
「あんまり無理するなよ〜」
「分かってるって!」
結局こうして香織は飲み会に参加することになった。
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