残業

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「佐川くんがこっちの席に来るの珍しいね」 「たしかに佐川先輩、あんまりこっちのチームとお酒飲んでるイメージ無いかもしれないです」 「言われてみればそうかもしれないね。今2人はどんな話してたの?」 「本当くだらない話しかしてないよ。柿崎の座席チョイスがいまいちだったことぐらいかな」 「それは先輩にも原因が……」 香織と柿崎が仲良さげに話す姿を見て、一瞬春也の顔が曇った。 「そうだったんだ。それは柿崎も神経使ったよな。岡田さんのお願いじゃ断れないもんな」 「そうなんですよ。やっぱり佐川先輩は人の心をよく分かっていらっしゃいますね……」 春也は柿崎が持ち上げて来るので若干顔が赤くなった。 少しして近くの席から柿崎が呼ばれテーブルには香織と春也だけが残った。 「良かったら外の空気吸いに行かない?」 「いいけど、佐川くん飲み物奢って〜」 「はいはい」 香織と春也は飲み会からそっと抜け出した。
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