SS.月が綺麗ですね 竜と涼子ver.

3/5
48人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
『あなた、椿田さんだって20も上なんだから、いつ何があるか分からないのよ?あんまり言いたくないけど。何かあってから、やっぱり子供が居たら良かったってならないように』  ――――母が言うのも分かるけど。  わたしが、我儘なのかな。  この人と付き合うまで彼氏も居なかったし、デートもしたことなかったんだから、もう少し、というか……ずっと今みたいに過ごしたいと思ってしまう。 「お月見なぁ……つっても月見団子くらいしか思いつかねえな」 「今の時期、なんでも月見ってついてますよね。ファーストフードでも。お菓子でも」 「そうだなぁ。なんか、食いたいモンとかあるか?夕飯」 「うーん……昨日シチュー作った残りがあるから、それで済ませられるかなと思ってたんですけど」 「じゃあ、それに月見なんちゃらみたいなハンバーガーとか買ってって、それで食うか。俺はなんかつまみになるようなサイドメニューでもあればいいから」  美味しそうだけど、でも……と考えていると彼が言った。 「あのな、体のこと心配してくれるのは有難いけどな?たまにはそういう適当な夕飯でもいいだろ」 「……それも分かりますけど」
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!