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「大体はお前がいろいろレシピとか見て、ちゃんと野菜摂れるように気遣ってくれてンだろ?俺も前よりは全然食生活良くなってるから」
「野菜は、静岡のお家でたくさん送ってくれるから消費しなきゃっていうのもありますけど」
「多かったら言うぞ」
「いえ、まだ大丈夫です」
食べきれなそうな時は母にあげたりしているし。
「じゃ、今日はそうしましょうか。お月見ディナーで」
「おう」
……月が綺麗ですね、っていうのは案外難しい言葉なのかもしれない。
同じものを楽しめる気持ちだったり、共感だったり、素直に自分の胸のうちを伝えられる関係だったり……誰にでも言いたいことじゃないから、そういう意味にもなるんだろうか。
「……あたし、竜とだから毎日すごく幸せに過ごさせてもらってます」
「なんだ、いきなり」
彼は笑う。
「ンな当たり前のこと今さらどうした」
「当たり前ですけど、言わないと分からないじゃないですか。他の人じゃなくて、出逢ったのが竜だったから今のあたしがあるって」
「……ああ」
「だから、嬉しいって思うし、……まだ二人で、ってつい」
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