23人が本棚に入れています
本棚に追加
『しおり!!』
それに続いてわたしたちもしおりに駆け寄った。
しおりはコンクリートの上で目をつむり、地面は赤い血で染まっている。
見た瞬間わたしの体は凍りついてしまった。
しおりにそれ以上近づくことも、声をかけることもできずに呆然と立ち尽くす。
これがしおりだなんて信じられなかった。
ついさっきまで笑顔を浮かべていたしおりだなんて……。
それから救急車が到着して、しおりは運ばれていった。
わたしたちの親にも連絡が行き、それぞれに迎えが来た。
一緒に病院へ行くこともできない。
わたしたちは本当に無力だった。
だから、直人があのリアルチューバーの動画を見せてきたとき、わたしたしは全員しおりのことを思い出していた。
死者を呼び出すことのできる儀式。
呼び出したいのはしおりで間違いがなかった。
最初のコメントを投稿しよう!