第一話 書き手としての僕

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第一話 書き手としての僕

 ※これは東堂薫がまだ見ぬ編集者さんと円滑にコミュニケーションするためのツールです。とくに前二話。そのあとは書き手さんへのエール。  まだ屍喰鬼ゲームが本になってもないのに、新作を最恐に送りこんじゃった。  うん。わかってる。わかってる。二年連続受賞はふつうないし、「おまえはもういいだろ!」と多くのかたが思ったはず。  あれは5回めのときに出そうと途中まで書いたものの〆切にまにあわなかったやつだから。いちおう、こんなのも書いてたんですよっていう、編集さんへのアピールです。それ以上の意味はない。  ほとんどの人は承認欲求とか、作家になりたいとか、本になって大儲けしたいとかの理由で小説を書いてるんだろうけど、僕はちょっと違うんですね。小説書くことじたいがものすごく好き。みんなが息をするのがあたりまえのように、僕は小説を書くのがあたりまえで、小説を書かないと生きていけない。僕にとっての呼吸。それが小説。前に絵の通信教育やってたとき二年間、まったく小説を書けない時期があったんだけど、書きたい欲求がどうしても抑えられなくなって、苦しかった。そのとき気づいた。絵は描かなくても生きてられるけど、小説は書かないと生きていけないんだって。  なので、ほっとくと、ただひたすら小説を書いてます。どっちかっていうと速筆なほう。何しろ、中一のときから〇十年間書き続けてるので、ある種、職人技。  東堂薫はパンツァーです。プロット練りません。キャラ設定とか世界観とかも書きません。資料集めません。必要ならグーグルでちょこっと調べる。とにかく、最初のイメージだけ、ちょっとふくらましといて、メモにネタ出ししとけば、あとは書きたいときにとりだして書きます。書きながら頭のなかで練っていくので、出だしはどうしてもゆっくりめ。世界が見え始めて形が整うとあとは速い。パズルのように組み立てる。脳作業。行きあたりばったりで書いてもグールゲームレベルには仕上がる。(グールゲームの書きかたは、エブリスタさんのスター特典に書いてる)ちなみにグールゲームを書くのにかかった期間は一ヶ月。実質は休日の十五日です。  綿密に練りあげて書くので、あとからストーリーの流れを改変するのは、ちょっと難しいかも?  まあ、やれと言われればやるんだけど。パズルがバラける改変は難しい。パズルのあいまにさしこむのはできそう。三人称を一人称へ。そのくらいはがんばります。  そのように書きながら練るので、プロットの複雑な話ほど書くのに時間がかかる。  複雑な話だと日に5000字。ふつうは8000字。かるい話なら13000字書いたことも。スマホに直書き。フリック速い。パソコンはないに等しい。あるにはあるけど古すぎてネットにつなげないやつ。  カクヨムで書いてた三年間はフルタイムで働きながら休日だけ使って月平均10万字を書いていた。三年で360万字。もしくはそれ以上。新作だけじゃなく、過去に書いた旧作を打ちなおしたものもふくむ。ほんとの新作だけなら250万字くらい? いや、青蘭と冒険録だけで300万字こえてるか。ただし、このときの職場は休み多かった。年130日休んでた。今後も同様に行くかは謎。  イベント用に書いた話は、そのコンテストで求められてるんだろうなという予測と、自分が書いてて楽しい範囲の妥協点。ゆえに魂は入ってない。技術力のみ。  もちろん自作なので、あるていどのこだわりはある(パクられたら、さすがに怒る)けど、キャラに深い愛情を抱いてるわけじゃないので、切り刻まれてもぜんぜん平気。作品としての水準さえ落ちなければ、それでよし。たとえばコミカライズで原作とまったく違う話になってもオッケー。ただし、水準だけは保ってね。駄作は嫌い。  イベント用に書いたのは、屍喰鬼ゲームとか、ヒロインが増殖する世界でとか、ほとんどは長編読み切り。ローズガーデンとか犬咬みもそう。  面白い作品を書きたいというポリシーは強い。どの作品も本にできる出来をめざして書いてきた。とりあえず、その時点での全力はつくしてる。  得意ジャンルはミステリー、SF、ホラー。ファンタジーもよく書く。苦手ジャンルは歴史物。資料がたくさん必要だから。一度も書いたことないけど、たぶん苦手。さわやか青春物もあまり得意じゃない。がんばって書いて『復讐ゲーム』まで。ドロドロ、グロ、倒錯、ななめなアウトサイダー、そういうののほうが書きやすい。好きだから。好きなものには心血そそぐ。  問題は魂が入ってるやつ。東堂兄弟シリーズ、宇宙は青蘭の夢をみる、略して宙夢(そらゆめ)シリーズ、ワレスさん主役のジゴロ探偵と墜落のシリウス。三大シリーズはどれも魂こめてるので、愛着も執着も強い!  ほんとは三大シリーズが書籍化されれば泣いて喜ぶ。けど、自分の『好き』がつまってるぶん、書籍化が難しいんだろうなというのはわかってる。三大シリーズのキャラクターたちは愛してるので、彼らの運命を変えることはできない。彼ららしくない行動もとらせられない。彼らは現実世界で生きてる人。僕にとっては。家族。兄弟。愛する人。  とくにワレスさんは溺愛してるので、イメージじゃない絵とかつけられると憤慨する。彼は僕の分身。というより、憧れ。理想。  以前、「このキャラクターは自分的地雷があって好きになれないけど、ストーリーは面白い」とレビュー書かれたことがあって怒り狂った。彼を好きじゃない人が読む必要はない! 去れ!  ワレスさんのシリーズは彼の生涯とその生きざまをこの世に刻むために書いている……。  そんなわけなので、もしも、ワレスさんのシリーズを本にしてやるよと言われたら踊りあがる(駅のホームであっても三回とんで「ヾ(≧︎∇︎≦︎*)/やったー!」と叫ぶくらいには)けど、まげられないことも多い……。  いっしょに彼を愛してくれる人となら、よき仕事ができるであろう。  ジゴロ探偵くらいなら、なんとかワンチャンあるんじゃないだろうか……と心ひそかに期待している。(BL色が薄いので)シリウスシリーズは設定がガッツリBLなので難しいだろうなぁ。  青蘭の話は長いけどシリーズ完結してるよ? 140万字だけどね……orz  長すぎたね。せめて20万字で完結してれば本にしやすかったのにね。BLだし。いや、ノーマルラブバージョンも書いてあるから!  宙夢はラストまで行くと冒頭から読みなおせる『巡る』作りになってるので、完成度は高いです。本になってくれないかなぁ。できればBLバージョンで。そっちのほうがなんか人気あるし、最初に書いたオリジナルなので。  東堂兄弟は僕のシリーズのなかでは一番人気ですね! 読者の反応がいいのはコレ。探偵録日常編、とくにアントリオンは「お母さんに見せたいので」「おばあちゃんに読ませてあげたいので」書籍化してほしいと言われたことが。webでは文字が小さくて、ということらしい。  とりあえず、初回はここまで〜
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