文化祭クライシス

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 しかし夏が過ぎ……。  二学期が始まる今日、その彼女にはある変化が起きていた。 「可愛いな笑うと」 「だな、あんな明るかったんだ」 「おお、しかも眼鏡やめたんだな」  夏休み会うことのなかった期間、彼女に一体何が起きたと言うのだろうか?   そう例の彼も思っていた……。  『僕だけのミソラさんの魅力に皆が気付いてしまった』  あれだけいつもポツンと一人きりだった彼女、それが今はクラス中の女子が彼女の机の周りに集まり、ワイワイガヤガヤとやっている。  眼鏡のあるなしでこうも変わるのか、クラス中の男子が目をいつも以上に見開き、生まれ変わった彼女に注目していた。  あの眼鏡が取り外されたことで、まるで転校生が来たかのように見える程に、彼女は変化していたのだ。  まるで幼虫から蛹を通り越し、蝶になった彼女にクラス皆が釘付けとなっていた。  
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