三章/『おかえりなさい』

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 ロードさん達が村にやって来てから数日後、伝書魔法で連絡が来てきた予定通り、父上殿達の冒険者仲間であり、ギルドの共同運営者でもあるゼファーさんとエルデさんが村に到着した。 「ただいまー」  元気な声と共にギルドの扉を開けたのがゼファーさん。  淡く緑を帯びた金髪にペリドットのような黄緑色の瞳の中性的な顔立ちの青年エルフだよ。  最近は白い虎を模したフード付きのローブを着ていることが多い。  見た目が子供向けなのを気にしなければ防御力が高い装備なんだって。  ゼファーさんは、父上殿(セドリックさん)と同じくらいの年齢のはずなんだけど、エルフ族の中にも時々いる成長速度が緩やかなタイプらしく、出会った時と身長もあまり変わらず低めで、見た目年齢だと十代後半くらいに見える。 「ただいま戻りました」  ゼファーさんに続きギルドに入ってきたのはエルデさん。  普段は淡い茶色の髪に琥珀色の瞳なんだけど、魔法を発動した時や一部のスキルを発動した時には淡い藤色を帯びた銀髪と金色の瞳に変化する特殊な体質を持ち、ドワーフ族にしては身長が高めで髭も無く、父上殿と並んでも少し低いかな程度の身長差の青年だ。  年齢は父上殿やゼファーさんより少し下で、ヴォルフさんと近いみたい。  あの日、翠さんから聞いた話だと、エルデさんは和国国王の龍王神エルドさんの息子でもあったみたいだから(ドワーフ族だと普段から名乗っているエルデさん本人は知らされていなかったみたいだけど)、その血が特殊体質や身長にも影響していると思われる。 「「「「おかえりなさい」」」」  父上殿達と俺やレイの声が重なった。  今のところ村に定住していないゼファーさんとエルデさんだけれど、このギルドは彼らの家でもあるからね。
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