ゼファー先生とお勉強

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ゼファー先生とお勉強

「それじゃあ、今日は妖精と精霊の話も出ていたから、ステータスとレベルの話をしようか」 「ゼファー先生、今日もよろしくおねがいします」 「はーい」  俺とレイがギルドの受付を手伝う時には、こうやってゼファーさんが様々なことを教えてくれるので、こういう時には『先生』と呼んでいる。 「精霊や妖精の加護があると、鑑定魔法を発動できるようになります。鑑定スキルは神の加護に由来すると言われていますが、鑑定スキル持ちが少ないこともあり、詳細は解明されていません」  ゼファーさんは先生モードの時には口調が変わる。これはS級冒険者として講師を頼まれることも多かったために染み付いた癖らしい。  魔法とスキルの大きな違いは、発動時に魔力を消費するかどうか。  鑑定スキルの場合は魔力消費は無いけれど、鑑定魔法の場合は鑑定する対象に応じて魔力消費量が変化する。  植物鑑定や鉱物鑑定などでは名前と毒の有無などを調べる程度であれば消費魔力は少ないが、詳細を知ろうとするほどに消費魔力量が上がり、人物鑑定魔法に至っては、消費魔力量だけでなく様々な制限がかかる。  鑑定魔法や鑑定スキルが使用できなくても、各地の神殿やギルドなどが所有している魔道具でもステータスの確認ができるとゼファーさんは続ける。 「初歩的な人物鑑定魔法だと、対象のレベル、体力、魔力、攻撃力、防御力、その他……くらいしか表示されません。種族名くらいまで表示させられるようになったら戦闘でもある程度役立ちますよ。ただし、相手の許可を取らずに人物鑑定魔法を使用すると敵意ありと見なされる場合が多いですし、国によっては罰せられますから、人物鑑定魔法を使用する時には相手の許可をきちんと取ってくださいね」 「はい」  俺だって、自分が勝手に鑑定されていたらあまり気分は良くないと思うし。  例外として、武器を向けて来た相手は最初から敵意ありとみなして許可取りは不要とのこと。  あと、自分よりレベルが高い相手に対しては、許可なく鑑定したところで『閲覧許可がありません』と表示され、高確率で失敗するそうだ。  失敗しない例外が、対象が魔物の場合。
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