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◯
午後七時を過ぎた頃。
その場の全員が食事を終えたのを見届けてから、御影は「少し早いけどお開きにしようか」と言った。
栗丘が祖母の見舞いで病院に向かうだろうから、その時間に間に合うようにとの計らいだった。
その心遣いには大いに感謝しているし、会計の際もとんでもない金額をポケットマネーから出してもらったことで栗丘は恐縮しっぱなしだったが、一つだけ、どうしても胸に引っかかっていることがあった。
「あの、御影さん。俺の父親のことなんですけど……」
店を出て少し歩き、そろそろ解散という雰囲気になってきたところで、栗丘は恐る恐るそれを口にした。
先日の斉藤の件を無事に解決できた暁には、父親のことで御影から情報をもらえるという約束だった。
しかし鬼を退治したあの日から今日まで、そういった話をする機会は一度もなく、歓迎会である今日こそはと期待していたのだ。
しかし御影は「ああ、それね」と軽く受け止めると、
「あれは機密情報だから、人目のある場所では話せないよ。また庁舎の会議室かどこかを借りて、二人きりで話そうか」
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