第二章

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            ◯  翌日。  十一月のスタートとともに新しい部署へと異動した栗丘は、まず手始めに、御影によるあやかし講座を受けることになった。 「名付けて、『おしえて御影先生! 馬鹿でもわかるカンタンあやかし講座』。始まり始まりー」  警視庁舎の会議室でホワイトボード前に立つ御影は、パチパチパチと自ら拍手して講座の開始を宣言する。  そんな彼の前で大人しく席に着いているスーツ姿の栗丘は、若干戸惑いながらも控えめな拍手を送る。  さらにその隣に座る絢永は「なんで僕まで付き合わなきゃいけないんだ……」などとブツブツ言っている。 「というわけで。あやかしの性質については昨日の店で話した通りだけど。今日はあやかしの『種類』について説明するね」 「あやかしの、種類?」  栗丘がおうむ返しに聞くと、御影はうんうんと満足そうに頷く。 「あやかしも人間の犯罪者や害獣と同じで、その害悪さにレベルがあってね。そのレベルによって、あやかしは二つの種類に分けられると我々は考えている。言ってしまえば、放っておいてもいいレベルか、そうでないレベルかってこと」  
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