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わたしって変だよねと、ここまで書いたところで、
「美衣佐ちゃん、そろそろ交代の時間だよ。おはよう」と言いながら十七時までのシフト勤務の有川さんが休憩室にひょっこり顔を出す。
「あ、おはようございま~す。今、行きます」
わたしは『じゃあね、当近さん、バイトが始まる~またね、美衣佐より』とだけ追加し、書いていた交換日記をパタッと閉じ慌てて立ち上がる。
「あはは、美衣佐ちゃんそんなに急がなくても大丈夫だよ」
丸顔で癒し系の有川さんはうふふと笑う。
「遅れるとはね。何をしていたのこれだから高校生は呑気よねってうるさい鬼おばさんがいるんですもん」
わたしは休憩室から出て隣のロッカーに交換日記と筆記用具をしまいながら言った。
「鬼おばさんなんて呼んでるの聞かれちゃダメだよ」
「は~い!」とわたしは明るい声を出し返事をした。
もう一度全身鏡に自分の姿を映し身だしなみをチェックする。その鏡の中には美しい薔薇の花のような牧内美衣佐がいた。それとほぼ同時にお父さんの描いた返り血を浴びた女性が映ったような気がした。
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