美衣佐がわからない

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「うん、当近さんと隣の席になった記念に交換日記をしてるんだよ」 美衣佐は歌を歌うように言った。 「隣の席になった記念にね……へぇ~そうなんだ」 三竹さんは納得のいかない顔をしている。 「うん、そうだよ。ねっ、当近さん。わたしが隣の席になった記念に交換日記をしようってお願いしたんだよね」 そう言って美衣佐はわたしの顔を見てニコッと笑った。その笑顔はまるで天使のようで可愛らしかった。 「あ、うん、そうだね……」とわたしは返事をした。けれど、どうしてそんな可愛らしい笑顔をわたしに向けるのかな。 「へぇ~ふぅ~ん、当近さんと美衣佐ちゃんは仲良しなんだね……」 三竹さんは気にくわない声を出した。 わたし達三人の間にずーんと重たくて異様な空気が流れた。わたし達はしばらく黙っていた。 その異様な空気が流れる沈黙を破ったのは美衣佐だった。 「当近さん、わたし達仲良しだよね」 「あ、うん、そうだね……」 わたしは答えながら本当に仲良しだったらどれだけ嬉しいことかと思った。 「ふ~ん、美衣佐ちゃんと当近さんは仲良しか……へぇ~」 三竹さんはわたしをじーっと観察するように眺めた。その目はどうしてこんな子と美衣佐が仲良しなのよと思っているように見えた。 わたしだって美衣佐がどうして良くしてくれるのか不思議でたまらないんだからね。こんなわたしなんかと……。 それに美衣佐はわたしを友達と思っているのかそれさえもよくわからない。
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