ねえ、当近さんわたしと交換日記をしない?

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 わたしはいちご柄の交換日記を美衣佐に差し出した。 「ありがとう、当近さん。書いてきてくれたんだね。嬉しい~」  にっこりと笑いながら美衣佐はわたしから交換日記を受け取り通学カバンの中に仕舞う。 「ちょっと上手く書けたかわからないけどね……」 「上手く書く必要なんてないよ。交換日記は自由気ままに好きなことを書こうよ」 「うん、じゃあそうするね」 「さて、今日はわたしの番だね。何を書こうかな。それはそうと当近さんの交換日記を読むのが楽しみだな~」  美衣佐のその顔には喜びがみなぎっていた。  わたしとの交換日記をそんなに楽しみにしてくれているなんて嬉しいなと思うのと同時に、クラスでも人気者の美衣佐だったらわたしじゃなくても交換日記をしてくれる相手なんてたくさんいるだろうになと思った。  わたしが、そんなことを考えていると、 「美衣佐ちゃ~ん」と美衣佐に似た華やかな女子が手を振り呼んでいる。  ほら、やっぱり。美衣佐は人気者だよ。
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