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家に帰るとお姉ちゃんがリビングのソファに座りドーナツを食べていた。
「ただいま~」
「あ、海代ちゃんおかえり~ドーナツ食べる?」
お姉ちゃんはこちらに振り返り言った。
「うん、ありがとう。食べる~」とわたしは答え洗面所で手を洗い二階の自室で制服から部屋着に着替えリビングに戻った。
「ココナッツチョコレートドーナツとシナモンドーナツがあるけどどっちにする?」
お姉ちゃんはドーナツが入っている紙袋を見せてくれながら尋ねた。
「う~ん、どうしようかな? シナモンドーナツにするよ」
「わかったシナモンドーナツね」
お姉ちゃんはシナモンドーナツを紙皿に載せわたしの目の前に置いた。
「わ~い、ありがとう。いただきま~す」
わたしはにっこりと笑い、大きな口を開けてシナモンドーナツを口に運んだ。シナモンの香りと砂糖がじゅわっーと口の中に広がりとっても美味しくて、ああ、もう幸せだ。
「めちゃくちゃ美味しい~」
「海代ちゃんは幸せそうな顔をして食べるね」
「うん、だって、このシナモンドーナツ美味しいんだもん」
「あはは、ドーナツもきっと喜んでいるよ」
お姉ちゃんは笑いながらいちごドーナツを口に運んだ。
わたしのお姉ちゃんは優しくて嫌いじゃない。けれど、両親がお姉ちゃんとわたしを比較するので最近はわたしの方からあまり話さなくなっていた。
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