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「えっと、その……みい、あ、牧内さんが」とわたしは焦りながら答える。
「あ、わたしが……それはありがとう」
「ううん、なんか綺麗で可愛くて少女マンガに出てくる女の子みたいだね」
「あはは、大袈裟な。そんなわけないでしょう」
美衣佐の表情は変わらずだ。特に嬉しそうな顔はしない。少女マンガに出てくる女の子みたいだと言われても嬉しくないのかな。でも、自分が美人だということはわかっているようだ。
「当近さんも可愛いじゃない。目が大きくてくりんとしてるもんね」
美衣佐はそう言って大輪の薔薇のような華やかで存在感のある笑みを浮かべた。
「あ、ありがとう……」
美衣佐にそう言われても……。
気づくと水色の海のような空は美しいオレンジ色になっていた。
さあ、早く帰って交換日記を読もう。
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