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部屋に戻ったわたしは勉強机の上に置きっぱなしにしていたふわふわしていて肌触りのいい交換日記を手に取り開く。
可愛らしいいちご柄と美衣佐の丸っこくて女の子らしい文字がノートに踊っている。
じっと眺めているとお母さんのことでイライラしていた心がほぐされすーっとしてほわほわとあたたかくなった。
お母さんは高校生になったわたしにまだ、勉強のことを言い友達も優等生をだなんて嫌気がさす。もう干渉しないでほしい。
わたしは大人ではないけれど子供でもない。微妙なこの時期を早く卒業し大人になりたい。それと、同時に大人になるのも怖い。
だって、この先大人になった自分の幸せな姿を上手くイメージすることができないのだから。
この家の娘ではなくもっと温かい家に生まれてきたかったなと思った。
美衣佐はきっと、温かい家族に恵まれているんだろうなと思いながら丸っこくて可愛らしい文字を眺めた。
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