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「どういうこと? あの話って何」
「お見合いよ。冬二郎さんの」
「!」
「あたしの知り合いの娘さんが出戻りで帰って来ていてね。なんでも前の旦那さんとは子どものことで喧嘩が耐えなくてとうとうあちらから三下り半突きつけられて離婚したっていうのよ」
「……」
「娘さん、生まれつき子どもが出来ない体でね。最初はそれでもいいって話で嫁いだのだけれど、でもやっぱり状況が変わってしまって特にお姑さんからの態度がきつかったらしくて……酷い話でしょう?」
「……うん」
「子ども好きなのに自分の子どもが持てなくて、おまけに酷い言葉で傷つけられて離婚されて……だからね、冬二郎さんをどうかなと勧めたのよ」
「……っ」
「冬二郎さんまだ若いんだし、それに里緒だってお母さんという存在がいた方がいいと思うし、娘さんも子どもを持つことが出来るし、再婚するにはお互いいい条件なんじゃないかなと思ったの」
「お母さんはそれでいいと思っているの?!」
「え」
気がつけば真っ白になった頭を抱えながらも口走っていた。
「里緒のこと……里緒はお母さんにとって血の繋がった孫でしょう?! 私にとっても可愛い姪っ子で……それなのに余所にやっちゃうって気持ち、どうなのって──」
「関係ないでしょう」
「は?!」
母のそのひと言はとても衝撃的だった。
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