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だけど続けられた言葉に胸が詰まった。
「関係ないの、冬二郎さんと里緒が幸せになるためなら。例え芳崎の籍を抜いて一緒に住まなくなったって里緒があたしの孫だということに変わりはないし、今まで共に過ごして来た年月がなかったことにはならないでしょう」
「……」
「いい加減、冬二郎さんは自由になっていいと思うの」
「……」
（お母さんがそんなことを考えていただなんて全然知らなかった）
そして私の知らないところで冬二郎さんにお見合い話があったことも。
「ねぇ冬二郎さん、もうそろそろ真剣に考えて？ 理代のいない人生を歩んで行くことを」
少し涙声になって発せられる母の言葉に私も冬二郎さんも黙ってしまった。
（本当にどうして……今になって……）
今までの暮らしが変わることを避けるかのように穏やかに過ごして来たはずだった日常は、この日を境に大きく動き出そうとしていた。
──それはもう、想像だにしなかったほどの急展開がこの後、待っていたのだった
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