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(どうしよう……どうしたらいいの?!)
私の気持ちは受け入れてもらえなかったけれど、だけどそれで冬二郎さんを諦めるなんてことは出来なくて……
ましてや里緒のことだって私は本当に可愛いくて……離れて暮らすなんてこと、出来そうになくて……
(どうして急にこんな……)
「ちょ、莉世?!」
「~~~っ」
あまりにも一度に沢山のことが起こり、きちんとした思考が出来る許容範囲を超えてしまっていた。
気がつけば既に誰もいなくなった講義室で敦相手に泣いてしまった。
「莉世、どうしたんだよ」
「も……もう……やだぁ」
「え」
「どうしたらいいの? もう……分からない」
「……」
「こんな世の中に生きていたって私……辛いだけだ」
「……」
「もう……もう、死んじゃいたいっ!」
「!」
私がそう叫んだ瞬間、いきなり体が宙に浮いてそのまま机の上に押し倒された。そして流れるように敦がキスして来た。
「っ!」
隙間なく押し付けられた唇はどんなに動かしてもビクともしなくて、それと同時に下半身の違和感に気が付いた。
(ちょ、嘘でしょう、こんな処で!)
敦の掌が私の太ももを執拗に這っていた。
「ふっ、ん、んん!」
唇はキスで塞がれていて言葉を発することが出来ない。嫌だとどんなに身動ぎしても敦の掌が止まることはなかった。
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