第三章

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「ふふん、どう? オレのこと惚れ直したか」 「!」 「そんなら先刻の続き、しに行こうか」 「~~~行かないわよ! 馬鹿!」 「ちょ、おい待てよ、莉世!」 (ちょっとは見直したのに…!) そんな怒りの中、少しだけ笑いが含む。 (もしかしたら私……) 本当に正真正銘冬二郎さんに玉砕して、永遠に諦めなくてはいけない事態になったら…… (そんな時がもし来たら敦のこと、もうちょっと真面目に考えられるのかも知れない) 今まで考えることが出来なかったそんな思考が出来るようになっていた。 (そっか……) だったら私はもうこの世を儚んでいる暇はない。思いっきりやることをやって、新しく前に進むために気持ちに決着をつけなければいけないのだと決意した。 (お姉ちゃん、こんな妹でごめんね) そっと心の中で謝った私は携帯を取り出してメールを送信した。
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