14人が本棚に入れています
本棚に追加
トレーナーの女
「お疲れ様〜。」
「よお、南茂〜。今日は飲みいかないか?」
同僚の佐古がグイっと、飲み干すようなジェスチャーを交えながら聞いてきた。
「酒か〜久しぶりに行きたいな。けど今日はジムの日なんだ。来週ならいつでもいいんだが。」
「おっ、そうだったな!来週は接待多いからな〜…」
カレンダーの日付を指で追う佐古。
「水曜にしよう!」
「来週の水曜な。分かった。」
「おうっ。体のメンテナンスもいいけど、あんまり奥さんを待たせんなよ。寂しがるぞ。」
「分かってるさ。じゃあな。」
佐古は何度か我が家に来たことがあり、家で3人、飲むこともあった。
佐古は34歳独身だ。
ガタイもよく見た目も面倒見もいいのだが
オジサン臭いところや強引なところがちょっと…
結婚はしなくていいと本人は言っているが…
出来ないのかしないのかは定かじゃない。
鞄を持ち外へ出ると、朝とは逆の順番をたどる。
と、その前に寄るところがあった。
ジムだ。
最初のコメントを投稿しよう!