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膝から落ちそうになる女を何とか支える。
周りに分からないようにするのには工夫がいる。
そうしているうちに
車内のアナウンスが最寄り駅に着いた事を知らせた。
『誉田市〜です。お忘れ物のないようお気をつけください。』
女がイッたのはそりゃ良かったがこちらはまだだ。
完全に勃起しきったモノをしまうことはできず、
とりあえずジャケットで隠した。
ホームに降り立つと仕事モードへと切り替える。
この切り替えの速さのおかげか、どんな事があっても仕事に影響を及ぼした事は一度もない。
新人の頃は毎朝聞くアナウンスにウンザリした時期もあった。
が、勤続9年目となる今ではそうでもない。
仕事モードになった俺には素股女など眼中にはなく、颯爽と足を止めることなく改札を目指した。
この駅で降りる人はほとんどいない。
車通勤を許されている為、ほとんどが車通勤だからだ。
近場からの出勤者はバス通勤が主になっている。
でなければ職場の人間が居る可能性があるところで
こんな危険なことはしない。
ふと視線を落とすと何かキラッとしたものがジャケットについている。
ソレは女と自分の愛液が混じり合ったものだった。
俺の肉棒もまだべちょべちょとしている。
勃起が収まりかけてきたので駅を出てからこっそりしまう事にしよう。
そして何食わぬ顔でホームを抜けて改札をくぐろうとした時だった。
「あの!」
後ろから声をかけられた。
振り返ると素股女と同じ格好の女がそこにいた。
いや、この女は素股女だ。
ぷっくりとしたツヤのある唇で
光悦した表情をしながら女は言った。
「ハンカチ、落とされましたよ。」
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