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2.
一緒にいて楽なのは、お互いに束縛しない割り切りタイプ。
会って、シて、イベントごとなんかは適度に彼氏彼女を楽しむやつ。どっちかが飽きたらバイバイ。
それと比べて、本気というか感情が絡むのはちょっと苦手だった。
いくら好きと言われても、俺も好きと言ってみても、お互いの間に大きな川が流れているみたいで手が届かない。そんな感じ。
向こうは渡って来てよと言うけど、俺は、どうしてわざわざ濡れてまでそっちに行かないといけないのか理解できなかった。
橋の上で会うだけでいいじゃん、と言っても、相手は納得しない。
びしょ濡れになってでも会いに来てくれてこそ、愛だと言うのだから。
そのうちに、そういう面倒なタイプは何となく見分けられるようになって。俺は、来る者拒まずをやめた。
楽な相手とだけ付き合って、でも付き合うこと自体が面倒になってきて、いつからか合意の上でデキる相手とだけする関係になった。
これはすごく楽で。
若いと言っても毎日やりたいわけでもないから、何となーく、したいなと思った時に誘ったり誘われたり。
恵まれてることに、相手に困ることもなくて、その辺は気分で適当に。
そんなふうにしてると、寄ってくるのもそういうのが好きなタイプばかりになって、ますます俺は身軽に楽しめるようになった。
高2の夏くらいからは、ずっとそんな感じだった。
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