大嫌いと言われた元カレに再会したら、子どもごと溺愛が待っていました

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 皿を片付けて、寝ている母を起こさないように実家を出る。鍵がかかっていることをしっかり確認してから、歩いて十五分ほどの場所にあるアパートに帰った。  第二章  一ヶ月後、新しい派遣先で勤務する日がやって来た。  新しい派遣先は、都内にあるゲーム機器の製造、販売をしている大企業ワンダープレイだ。売り上げ三百万本を突破した『モンスタークエスト』など数々のゲームを制作している。  ゲームの知識もない私は、もちろん開発とはまったく関係のない秘書室での勤務となる。秘書のサポートをしてほしいと聞いていた。  秘書室に案内されて、仕事上関わることの多い、社長、副社長、専務に順番に挨拶に伺う。専務の執務室のドアをノックし、中から聞こえてきた声に心臓が締めつけられる思いがした。  違う、ただ似ているだけだと思おうとしたけれど、ドアを開けた先に立っていたその人は、忘れられるはずもない彼で。 (あまり……変わってないけど……)  精悍さは増したように見える。私がじっと見つめていると、彼もまたこちらを見て、一瞬だけ目を見開いた。
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