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始まり
今から数十年前のことです。
人類とAIの知能が逆転するシンギュラリティ(※)が証明された時、人類は恐慌に陥いりました。
仕事は、存在意義は……。人類の未来は。そして得体の知れないモノに対する恐怖。
AIを排除しようとする者、利用しようとする者、発展させようとする者など様々な思惑が絡み、世界中が右往左往しました。
実際にその後人類はAIを使う者とAIに使われる者に分かれ、その中で『使われる者』はさらにその中で覆されないほどのヒエラルキーによって分断されました。
数年後、ある国が開発した兵器として戦争に使用されたロボットには、人類の行動を予測をするAIが搭載されていました。そのロボットにより的確に敵を攻撃することが可能になったのです。
そして夥しい人類が命を落としました。戦争が終結し地図から国の名前が一つ消えた時、改めて「ロボット三原則」を踏襲して新たに世界統一の法律が制定されることになったのです。
戦争で荒廃した街の復興にロボットが役立ったのも紛れもない事実でしたが、惨禍を生き残った人類はロボットに対する恨みや恐怖感を持ち続けました。
当然の結果として論争が巻き起こりロボット、特に人型をしたアンドロイドは街から姿を消しました。
それから時が流れて現在、戦争や気候変動、そして文化的側面によって減った人類の手助けをする、感情がない、会話をしないなどの制限をかけたAIやロボット、そしてアンドロイドが実用化されようとしています。
***
ーロボット三原則ー
【第一原則】
ロボットは人間に危害を加えてはならない。
【第二原則】
第一原則に反しない限り、人間の命令に従わなくてはならない。
【第三原則】
第一、第二原則に反しない限り、自身を守らなければならない。
第一原則が最も優先される。
ーアイザック・アシモフー
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※シンギュラリティ
人間の脳と同レベルのAIが誕生する時点を表す
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