第425話 子猫達の縄張り編5

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第425話 子猫達の縄張り編5

(前話の続き) 「ちっ」 「口に出すんじゃなかったぜ」 「次はもっと上手くやらなきゃな」  腹黒そうに呟く子猫達に、ハチとレオンが肩をすくめる。 「はいはい。バカなこと言ってないで、これからぼくんちに行こう。きみ達に貸してあげられる寝床があるから」  このハチの言葉に、子猫達は目を輝かせた。 「本当?」 「うん。ぼくもすっかり忘れてたんだけどね…」  トラと違って、ハチは人に飼われている猫だ。  普段は週に一度くらいしか自分の家に帰っていないが、寒い季節は帰る回数が多くなる。  ハチの家族は、全員不在の時や夜中にハチが帰ってきた時のために、勝手口のそばに置いてある小さな物置の中に、段ボールの猫ハウスを置くことにした。  いつでも中に入れるよう、壁に穴をあけて、猫用の出入り口も作った。 「あれ?」  しかし、みんなをその物置の前まで案内して、まずは一人で猫用の出入り口から中に入って行ったハチは、間の抜けた声を上げた。 (続く♪)
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