第427話 子猫達の縄張り編7

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第427話 子猫達の縄張り編7

(前話の続き) 「ちなみにレオンはどうしてるの?」  トラが訊いた。  レオンにも家がある。ハチよりは家に帰る回数は若干多いかもしれないが、本当にほんのちょっと多いくらいだ。 「ぼくは夜遅くなって、玄関の前で鳴いてもドアを開けてもらえない時は、屋根に登るんだ」 「屋根?」 「ベランダの窓に向かって鳴くと、何時でも入れてもらえるから」  それは家族の誰かの部屋の窓なのだろう。 「そうなんだ~」  トラとハチは納得したようだったが、子猫達はさらに質問を重ねる。 「それでも入れてもらえなかったら?」 「その時はベランダと屋根の間で寝る」  レオンの家のベランダは、傾斜のある屋根に鉄骨を組んで設置したものなので、ベランダの床の下に空間がある。 「寒くないの?」 「ちょっとは寒い」  でも、そこから見える風景が好きだから平気だとレオンは言う。 「どうしても寒い時は、他のところに移動するけどね」 「他のところって、例えば?」 「車のボンネットの上とか…」 (続く♪)
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