第424話 子猫達の縄張り編4

1/1
前へ
/433ページ
次へ

第424話 子猫達の縄張り編4

 猫ハウスの(あるじ)から愛の鉄拳を食らって以来、三匹の子猫達は、毎晩いじけたような顔で “ドングリの家” のトラの猫ハウスに来るようになっていた。  そんな子猫達を、トラは黙って受け入れた。 (まあ、いいけどね。ぼくも毎日ここで寝る訳じゃないしさ…)  寒くなるにつれ、この猫ハウスで寝ることが多くはなるが、本来、トラは気まぐれだから、寝る場所はその日の気分で違うのだ。  トラ特有の習性で、川に行くこともある。  数日が過ぎた頃、ハチとレオンがこの状況に口を出した。  二匹が子猫達に言う。 「きみ達、いつまでいじけてんの」 「冬中トラのところにいるつもり?」  すると、三匹は今まで見せたことがなかったようなダークな笑みと共に、こんなことを口走った。 「なるほど。ここに居座るという手もあるな…」 「今まで思いつかなかったけど…」 「それが一番いい方法かも…」 「わ~っ!それはさすがにダメ~!」  トラが慌てた。 (続く♪)
/433ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加