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彼の言葉を脳内でオウム返ししつつ、意味を逡巡していた杏璃だったが、彼によって唐突に、バスローブのあわいをガバッと大胆に開かれてしまう。
そこからふるんとまろび出た、柔らかな胸の膨らみを両の手で捉えられてしまった刹那。
「やっ、ちょーーあっ、やぁん……!」
自身が出したものとは思えないような、やけに甘ったるい嬌声が漏れ出てしまう。
「いい声で啼くんだな。もっといい声で啼かせたくなる」
それを彼に楽しげな口調で指摘され、顔ばかりか全身に滾るような熱が駆け巡る。
さっきまでのキスで酔わされぼんやりとした意識に、欲情に駆られた彼の声の余韻が蜜のようにとろりと甘く溶け込んでゆく。
そんなタイミングで再開されキスのリズムに合わせ、彼の大きな手が胸の膨らみをふにふにと淫らに弄ぶ。
「ふっ、ぁ、ん……んぅ」
大人のキスと巧みな愛撫とで同時に翻弄されてしまっては、杏璃にはもうその言葉の意味を思考するような余裕などない。
ただ絶え間なく与えられる、甘美な愉悦の狭間で喘ぎながら、彼の逞しい腕に縋りつくことしかできないのだった。
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