空き家物件調査

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「そうですね・・」 裏庭の窓が、開いているのに気が付いた。 ここはもう、人の出入りがないはずなのだが・・ 「清掃担当が、窓を閉め忘れたのかな・・」 そう言って、 近藤がブロンズの美しい装飾のついたドアノッカーを眺めてから、 ゆっくりと玄関のドアノブをひねった。 おかしい・・鍵がかかっていない・・ 近藤は、装飾のついた鍵を握りしめた。 「久遠、鍵がかかっていないですね・・ 窓も開いているし、用心のため、私が先に確認をします」 「泥棒っていっても、金目の物はないけどね」 久遠はのんびりした調子で、近藤に先を譲った。 近藤が音を立てないように、玄関ドアを静かに開けた。 室内はムッとするほどに、煙草の煙と酒の臭いが充満している。 居間の中央で6人ほどの少女たち、学校の制服であぐらをかいて車座になっている。 トランプとサイコロ、チップとおぼしきプラスチックの薄い円盤が、床の中央にばらまかれていた。 「さぁ、賭けて、賭けて!!」 一人の少女が胴元なのか、たばこを口にくわえて、トランプを手際よく配っている。
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