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そう言うと、腕まくりをして、
すぐに姿を消した。
「ほら、お姫様、瓶を片づけろ。その後は吸い殻を拾うんだ」
久遠が瓶をつかみながら、声をかけると
アンジュは、ほっぺたを膨らませて
「ふん、どーせ、私はエミリアに比べたら、まだガキですよっ!」
「そうだな。そんなボクサーショーツじゃ色気がないぞ。
もう少し、男心をそそるようなのを研究しないとダメだな」
「私っ!帰る!!」
アンジュはそばにあったカバンをつかむと、玄関に向かってよろめきながらも小走りした。
バターーン
大音響が玄関ホールに響いた。
「あれ、彼女は・・?」
近藤が45Lのビニール袋を数枚、手に持って戻って来た。
「うん。帰ったよ」
久遠が、吸い殻を屈んで拾いながら答えた。
「エラール伯爵の娘と言っていましたね。
アンジェラ・・イタリア系ですね。アンジュ・・
フランス語で天使ですか。
きれいな子ですね」
「うん、母親がイタリア系美人でね。うちの親父の遠縁にあたる関係だ。
父親も貴族、母親も貴族の末裔。
親同士の思惑、政略結婚とまではいかないが、まぁ、近いものがあったんだろう」
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