はじめての日本式お仕置き

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母親がまだ元気だったころ、 庭の古木にアンジュと二人でよじ登って怒られた。 幼い天使は可愛らしく、どんな望みも叶えてあげたいと思った。 あの時の天使は、もうすっかり背が伸びて、今や反抗期真っ盛りという感じになっている。 手足がしなやかなつる草のようで、妖精のように華奢で・・ 煙草の匂いがしたのだが。 久遠は、想い出を封印するように、パタンと窓を閉じた。 「久遠、さっさと、掃除をして写真を撮りましょう。 遅くなると、エミリアとのデートに遅れるのではないですか?」 近藤は仕事人らしく、すぐ次の段取りの指示をした。
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