2人が本棚に入れています
本棚に追加
母親がまだ元気だったころ、
庭の古木にアンジュと二人でよじ登って怒られた。
幼い天使は可愛らしく、どんな望みも叶えてあげたいと思った。
あの時の天使は、もうすっかり背が伸びて、今や反抗期真っ盛りという感じになっている。
手足がしなやかなつる草のようで、妖精のように華奢で・・
煙草の匂いがしたのだが。
久遠は、想い出を封印するように、パタンと窓を閉じた。
「久遠、さっさと、掃除をして写真を撮りましょう。
遅くなると、エミリアとのデートに遅れるのではないですか?」
近藤は仕事人らしく、すぐ次の段取りの指示をした。
最初のコメントを投稿しよう!