はじめての日本式お仕置き

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はじめての日本式お仕置き

その大きな瞳は、矢車草の青紫だ。 極上のサファイアブルー。 鼻は少し上を向いて、ピンクの唇はとんがっている。 ミルクティー色のクルクルの柔らかな巻き髪は、天使を思い起こさせた。 頬も酒のせいか、ピンクに染まっている。 久遠はふっと笑って 「ああ、アンジュ、ひさしぶりだね。ここは君の秘密基地だったのか。でも・・」 久遠がアンジュの指から煙草をひょいと取り上げ、自分の口にくわえた。 「君のパパがね、ここを売ったんだ。 しかし、昼間から学校をさぼって、酒盛りパーティとはよくないね」 アンジュと呼ばれた少女は、チィと舌うちをして 「クオン、あんたのいう事なんか聞かないからね。 私よりエミリアを選んだんだから・・」 近藤は、少しあきれた様子で、久遠に説明を求める視線を向けた。 「こちらは・・お知り合いの方ですか?」 久遠はふぃーっと、煙草の煙を吐いて 「彼女はアンジェラ、パパはここの持ち主のエラール伯爵だ。 伯爵の御令嬢、お姫様」 「だから、アタシがどう使おうが勝手じゃない!!」 いら立つアンジュがトランプのカードを、久遠に向かって投げた。 「あんたが、アタシを振って、あんな胸がデカイだけの女と付き合うなんて信じられない!!」 アンジュは、<ホント、ムカつく>というように久遠を見た。 近藤はそのやり取りを、しばらく傍観者として眺めていたが
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