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「はぁ」
(なんか入学して1日も経ってないのにすごく疲れた気がする)
「ため息してると幸せが逃げるぞ?」
ため息をついていたら誰かが話しかけてきた。
「あー、えっと佐藤?だっけ」
「違ぇ」
「え、じゃあ鈴木?」
「多い苗字で適当に言ってんじゃねぇ、古賀彷徨だ」
「あ〜、そうだった!じゃあかなたって呼ぶね」
(実際のところ覚えてたどころか名前を聞いた記憶すらなかったけど。)
「てか、同じクラスだろうが」
(え、考えてたことバレた?)
「じゃあ逆に聞くけd」
「神楽悠李だろ」
「正解です」
(え、なんで知ってんの?)
「だから同じクラスだって言ってんだろ。自己紹介したじゃねぇか」
(あれ、また心読まれた気がする。俺ってわかりやすいのかな。)
「まぁ、これからよろしくね」
「おぉ」
ついに友達が出来た。なんとなくだけど彷徨はすごくしっかりしてるお兄ちゃんって感じがする。
「どうしたんだ?」
「ん〜?彷徨って面倒見いい気がするしお兄ちゃんみたいだな〜って思って」
「お兄ちゃん?」
「うん、だって入学式の時とかさ」
「あ〜、あったなそんなこと」
「なら、お兄ちゃんって呼んでみろよ」
「彷徨お兄ちゃん♡」
(なんだこれ。なんか流されるままに言っちゃった。恥ず。)
俺は顔が熱くなっているのを感じた。そしたら、彷徨がやたらニコニコしてるんだけど。バカにされている気がしてとりあえず彷徨を睨んでおいた。彷徨は、俺の頭に手を置いてワシャワシャと雑に撫でた。
(なんか、力強いけど逆にいいかも)
心地よくて少し眠くなってきた。
「ふぁ〜」
「眠いなら寝てもいいぞ」
ホントなら寝ていただろうが、俺にはこの後やらなきゃ行けないことがあるんだ。
「ここでは流石に寝ないよ〜寮にも行かないとだし」
「んぅ、でもほんと眠い」
ん?なんかなでる手が止まった?見上げると、彷徨が目を見開いて固まっていた。
「どうした?」
「あ〜いや、お前気をつけろよ?」
(え、何に?)
よく分からないけどとりあえず頷いておくことにした。
「分かった」
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