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「あの、俺の同室の人って亮先輩から見てどんな人ですか?」
「真面目でめっちゃ良い奴だ」
「仲良くできますかね」
「100%仲良くできるから安心しろ」
亮先輩は自信満々で即答してきた。亮先輩がそこまで言うならきっと大丈夫だろう。
「あ、これ渡し忘れてた。はい」
「それはカードキーだ。部屋に入る時はそれをかざして入ってくれ。ちなみに寮に繋がる扉や食堂とかでも、必要になってくるから、絶対無くすなよ」
いちいちかざしたりするのか。ちょっと面倒だな。
「初めは面倒だが慣れればなんとも思わなくなるから安心しろ」
「あ、はい」
「それじゃあここがお前の部屋だ」
「ありがとうございました!」
俺はカードキーをかざして部屋に入った。
ガチャ
「こんにちは〜誰かいますか〜?」
扉を開けるとそこにはまさには翼とはまた違う感じの可愛いらしい男の子がいた。
「こんにちは〜!!僕の名前は氷室星輝です!」
「俺は神楽悠李。よろしくね星輝君!」
「うん!早速だけど僕悠李君の親衛隊の隊長になりたいんだー!!」
「親衛隊?」
なんだそれ。初めて聞いた。
「親衛隊っていうのはね〜、まぁ、簡単に言うとファンクラブみたいな感じだよ〜」
「てことは、星輝君は俺のファンってこと?」
「ん〜、まぁそんな感じなんだけど、悠李君はカッコイイから直ぐに親衛隊が出来ると思うんだ。だから、他のやつが親衛隊長をやるくらいだったら僕がやった方がいいと思うんだ。」
「イケメンだと、みんな親衛隊があるの?」
「うん!だいたいはね。ただ、本人からの許可が必要だから非公認の親衛隊もあるかもね」
てことは、彷徨とか意外にも翼にも、親衛隊があるんだろうか。
「そもそも俺、女子ウケはいい顔してるけど男子ウケがいい顔してるかって言われたら
、周りのみんなに比べたらめっちゃ顔がいいとは言えないし、平均くらいだから、親衛隊に入ろうとする人は居ないんじゃない?」
「そんなことないよ!」
「そう?」
「うん!だから僕を親衛隊長にして!」
「ん〜わかった」
「やったー」
星輝君はすごく喜んで笑顔になったかと思ったら、少し怒っているような表情になった。
「ていうか今まで女の子と遊んでたんだ?」
「うん。俺は共学だったからね。今も一応遊んでるけど」
「そうなんだ…ね」
「まぁ、これからは難しくなるだろうけどね」
「そうだよね!!」
「え、うん」
すごい表情がコロコロ変わるな。面白い。
「そういえば僕親衛隊になったからこれから敬語で悠李様って呼ぶね」
え、それは聞いてない。急に距離あきすぎでは。
「それは、出来ればやめて!」
「えぇ〜なんで〜」
「だって、急に距離あいた感じがしてなんか嫌なんだもん」
「嫌なんだもんって、可愛すぎなんだけど((ボソッ」
「ん?なんか言った?」
「何も言ってないよ〜」
「さっき、お願い聞いたから今度は俺のお願い聞いてよ」
「わかったよぉ」
そんな敬語使いたかったのかな。なんか不貞腐れてる。
「あと、俺、呼び捨てで呼び合いたいから悠李って呼んでよ」
「そ、れは、なんて言うかレベル高い」
え、呼び捨てで呼ぶだけだよ?仕方ない
「ほら、星輝。悠李って呼んで」
「……ゆ、悠李」
すごい顔が真っ赤だ。
「可愛いね」
「へ?」
あ、口に出してた?男から可愛いなんて
言われたら普通嫌だよな。
「あ、ごめん。顔赤くして可愛いなって思って。ごめんね、嫌だよね」
「いや、全然嫌じゃないよ!むしろ、ありがと!」
「そっか、なら良かった!」
「改めてよろしくね」
「うん!」
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