イチャイチャしつつ、性交渉です

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 キスされ、耳を軽く噛まれ、触れた唇がなんども肌の上におしつけられて震えてしまう。  手の指を絡ませて、相手の匂いが濃くなっていくだけで興奮した。  毎月こんなサービスが受けられるなんて極楽か。  唇を啄みながら、おれもリルくんの背中に手を回してしがみつく。気持ちいい。  昼間なのに、カーテンを閉め切ってする背徳感がさらにいい。間接照明の微弱なオレンジがいやらしい影をつくり、さらに悶えた。  クーラーを効かせているのに、肌は汗ばんでシャツを脱ぐとさらに濃い香りが追加された。汗臭いはずなのに、香りはジャスミンのように爽やかなのは頭が狂っているか、それともすでにいきっぱなしで頭が空っぽなせいなのだろうか。  それよりも斜め後ろからこぼれるセクシーな息遣いにもう腰が砕けそうになる。  お互いの肌が重なると触れたところが熱が灯る。じんわりとした温かさ。  獣人だけど人肌ってこういうことなのかと関心しているひまはなかった。 「あっ…、あっあっあっ……」 「ここ、よわい?」    カリっと爪で乳首の先端をひっかかれるとぶるりと全身が震える。さらに根本からぴんと引っ張られて伸ばされると足先が痺れて背中が弓なりのように反って反応してしまう。  ぶんぶんと首を横に振るが、それは肯定の意味も含んでいることを彼は汲みとってくれるだろうか。 「やっ…、だめ、だめ…ああっ……」 「ニアさん、耳が赤くなってる」  彼は実況タイプなのだろうか。  お互いのものを合わせて、上下にこすって発奮する。ちょうど親指がスジにあたっていいところをおさえてくれているのでなかなかイキそうにない。 「……ッ……」 「かわいい、ニアさん。初めてがあなたでよかった」  よしよしと頭をなでられて、達しただけで褒められる。  もしかしたら褒めて伸ばすタイプかもしれない。  とにかくだ。  最高。それしかなかった。  それからヒートのことや抑制剤はなにを使っているのかあれこれ訊かれたが、ほとんど憶えていない。  それがリルくんと初めて交わしたスキンシップと会話だから。
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