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窓から見える緑の山並みに オレンジの色が混じり始め
蒼い空の色合いが濃く成り始めた頃 猛が部屋へ入って来て
「 お食事に 行きましょう 」
誘って来た 啓子は頷き 二人で
食堂へと向かった
食堂に入ると 若い女性に案内されて
席に座る 小さな食堂にテーブルが8卓
6卓のテーブルでは もう食事が始まっていた
若い女性がスープを運び テーブルにのせられ
出されたスープを飲みながら店内を見回すと
支配人の誠も 他のテーブルに料理を運び
ワインを給仕して 二言三言話し 足早に
パントリーに消え また料理を抱え 他のテーブルへ
額を見ると 薄っすらと汗が光っていた
「 大変そうね 」
啓子は汗を掻く誠を見て言うと
「 同じ時間に 皆さん食事ですからね 」
前菜を 箸で摘まんでいる猛は 誠の姿に
視線を送り 答えて来る
幾つかのテーブルに デザートが提供された時
誠が 部屋の中央で
「本日の料理は 如何でした? 」
と皆の顔を見回す
デザートを食べていた 主婦だろうか
スプーンを置いて
「 ご馳走様 美味しかったですよ もう 満腹 」
浴衣のお腹を叩くと 他の席からも拍手が聞こえた
・・只今7時半 8時から 入口横に
囲炉裏が御座います・・・
・・・そこで 歓談など如何でしょう?・・・
・・・ご参加された皆様には 当旅館 特性のお酒を
後ほど提供させて頂きます・・・
・・・ 本日はありがとうございました ・・・
言い残すと 奥へ消えて行った
食事が終わった後 猛に誘われ囲炉裏に座り
ビールを傾けている前に 食堂で見た夫婦達が
囲炉裏の前に集まって来る
啓子達の前に二組の夫婦が座り お互い挨拶を交わし
4人で談笑が始まった時 右隣にまた一組の夫婦が
啓子に軽く会釈をして座った時 食堂から
一升瓶を抱えた誠が出てきた
「 3年寝かせた お酒です・・・ 」
一升瓶を抱えて見せ お酒の中で花が揺らいでいるのが見えた
「 家の宿のお勧めに 成って居ます 市販出来る程の
量は作れませんので お泊り頂いたお客様への
ご提供とさせて 頂いております お湯割りがお勧めですが 」
囲炉裏に座る宿泊客を見回した
「 お湯割りで・・・ 」
啓子の前に座って居た二組の夫婦達からの声に合わせ
皆が頷くのを見て 誠は大ぶりの湯飲みにお酒を注ぎ
お湯割りの提供を始めた 皆の前に湯呑が揃い
誠は湯呑を持つと
「 本日は 有難う御座います どうぞ
お召し上がりください 」
皆が湯呑を口に運び 前に座る夫人が
「 美味しい・・・ 」
呟く様な声に 他の客達も頷き
誠に お替わりを注文していく
啓子も湯のみに口を付け 微かに
花の香りが鼻孔を擽った
入り口が賑やかに成り 目を上げると
二人の男が入って来るのが見え
「 猛 久しぶり 」
猛と似た様な大柄な男が 笑みを浮かばせ
近寄って来た 猛も立ち上がり 誠と4人
入り口で何か話始め 猛が啓子に視線を向け
頷くと啓子の隣に戻って来た
「 直樹と拓哉です 」
啓子の隣に腰を落とした二人を紹介され
頭を下げると 大柄な男が
「 猛とは 小学生の時からの知り合いで
自分は 猟師を 拓哉は農業していて
自分良く 使われてるんですよ 」
笑い顔で紹介して来た
「 おばさん・・・ 」
猛が耳元に顔を寄せてくる
「 誠に頼まれて 少し宿の手伝いしますので
先に 部屋へ戻って貰っても・・・ 」
啓子は頷き 湯呑のお酒を口に運んだ
お酒を飲んで 30分程の時間が過ぎ
前に座って居る 夫婦達のパートナーが変わって
居る事に気が付いて 見ると夫人達の首筋がほんのり
赤みを指している 啓子も少し鼓動が早く成り
囲炉裏の鉄瓶が揺らいで見え始め
猛は直樹と昔話で笑い転げ 何時の間に
拓哉は隣に座って居る 夫婦と会話を交わしていた
「 お部屋へ 戻るは 」
立ち上がり 啓子は部屋へと戻った
部屋には布団が二組並んで敷いて有るが
時計を見ると まだ8時半 椅子に腰かけ
外を覗くが 暗い窓ガラスに映るのは
自分の姿 静かな部屋で 大きく息を吐き出し
早鐘の様に 存在を示す心臓の鼓動を沈めようと
深呼吸を繰り返していた 体が熱い
額が熱を持った様に熱く感じ 腰に軽い疼きを
感じて狼狽してくる 夫婦の営みも
最後は何時だったのか忘れ
もう自分には縁のない世界と 思っていたのに
ショーツを濡らす愛液を感じて 指先を
思わず恥ずかしい処に運んでしまう
痺れる様な刺激が 後頭部を襲い
大きな太腿が右手を挟み込み また太腿が緩んで
指先は小さな尖りの先を軽く撫でていた
指先で撫でるように尖りの先を撫で続け
軽い快感は波の様に頭の中へと送り込まれ
ショーツをずらして 直接に触れた時
快感が白い光を広げて来た
ゆっくりとした指の動きは早く成り
クリトリスを押し付けるように 強く
強く 強く押し付け 開けた口から
早い呼吸は 快感の波に合わせた様に
早く成って行く 白い光が溢れた時
啓子は思わず声を漏らしていた
大きく息を吐き出して 浴衣を直す
椅子に座ったまま 大きく足を開き
自慰を終えた姿 浴衣の帯も緩み
白い太腿が 部屋の灯りに浮かんでいた
時計を見ると9時少し前
布団に横に成ろうとした時 誠に連れられて
一人の男性が 露天風呂のガラス戸を
開け 失礼しますと 入って来た
「 申し訳ありません お部屋を・・・ 」
啓子が驚いている前を 誠が男性を連れ
部屋の入り口横の襖を開け 中へと二人入り
直ぐに誠だけが出て来た
「 お休み前に突然 申し訳ありません
お昼にお話しした ご夫婦の旦那様で
あちらは 隣の部屋を見るように作られた
部屋に成っているんです もう少しすると
声が聞こえるかもしれませんが・・・
3時間程 お願い致します 」
誠は頭を下げ 露天風呂へ続くガラス戸を開けて
闇の中へ姿を消していった
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