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支配人が 襖を締めて 啓子の傍で立ち止まると顔を見て
「 お休み前に突然 申し訳ありません
お昼にお話しした ご夫婦の旦那様で
あちらは 隣の部屋を見るように作られた
部屋に成っているんです もう少しすると
声が聞こえるかもしれませんが・・・
2時間程 お願い致します 」
誠は頭を下げ 露天風呂へ続くガラス戸を開けて
闇の中へ姿を消した
締められた襖を眺め 溜息を一つ吐いて
襖から離れた布団の中へ身を沈め
天井を眺めていると 隣の部屋のドアが開く音が
・・・えっ!!!・・何ですか?・・・・
女性の声が聞こえ 少し騒がしく走る音の後
・・・イヤ!!!・・・・
また 先ほどの女性の声が聞こえて来る
・・・・ 奥さん ・・・・・・・・
猛の聞いたことの無い低い声が聞こえ
・・・さっき奥さんを見て気に入ったんだ 今夜俺達と
楽しい夜を過ごそうぜ ・・・
低い声で猛の声がまた聞こえた
・・・ 嫌です! 主人が待ってますから 帰してください!!・・・
抗う声と 抗う姿が目に浮かんで来る
・・ ご主人? ご主人なら もう部屋で寝ているよ!! ・・
・・ さっき ご主人の酒 良く寝られる様にしておいたから ・・
猛の低い声が続いて
・・・いやーーー!!! だれかーーー!!!・・・・
助けを求める女性の疳高い叫び声を
啓子は布団の中で手を握り聞いていた
悲痛な叫び声 啓子が部屋に入っても
どうしようも無い 襖の向こうで
女性の夫が 部屋の中を覗いている事を
聞いた今 啓子は黙って布団の中で
過ぎていく時間を過ごすしか無い
頭の上まで布団をかぶり 啓子は目を閉じた
長い時間 布団に潜り 息苦しさに 顔を出して
時計を見ると まだ20分程しか経って居ない
隣の部屋の喧噪も 落ち着いたようで静かに成っていた
啓子は天井を眺め 息を吐き出した時
・・・・ 次は? ・・・・
何時もの猛の声の後
・・・・ 拓哉行くか? ・・・・
囲炉裏で座って 猛と話していた
大柄な男の声が聞こえ
間が開いて 微かな音を届け
・・アアァー・・・ウウ・・アッ・・アッ・・
女性のあの時の声が 隣の部屋から はっきりと
聞こえ
・・・ ほら!!! ・・・・
男の声の後 肉を叩く音が聞こえ
・・・・あっ・・あーーーー・・・・・・
艶声が続き
・・・アッ・アァ・・アッ・・アッ・・・・
・・・ もっと 強く吸えよ!! ・・・
猛の大きな声が聞こえ
・・・ そう 吸って 舌を使って 飲むんだよ ・・・
・・・・ああぁーーーー・・・・
また女性の嬌声が聞こえた後 隣の部屋が静かに成り
・・・ 奥さん 風呂で 体を奇麗にして ご主人の処へ ・・
声の後 隣の部屋のドアを開ける音の後 静かな部屋で
啓子は天井を見て 先ほど聞いていた声を思い出して
下着がまた 濡れている事に気が付き 思わず
指先を恥ずかしい処に這わせたとき 物音と共に
隣室の襖があき 支配人が入って来て 襖を開け
ご主人が出て来ると 啓子に視線を送り
支配人と隣室へ入って行き 何か話声の後
部屋を出ていく音がして 人の気配が消えた
静かな部屋で浴衣の前を開き 大きな乳房に手を当て
ブラジャーの隙間から手を入れ硬い乳首を 指先で
ツーーーン 電流の様な刺激が 乳房を揉み乳首を
摘まんだまま下着の上から恥ずかしい割れ目を擦り
下着をずらして 肉芽を指先で擦り続け
静かな部屋に荒い息使いが流れ続け 白い光が輝き始め
指先を膣の中へと押し込み 膣壁を回した時
白い光が輝き 腰を波打たせ 荒い息を繰り返し吐き
気怠い体のまま 起き上がり 下着を変えて
啓子は眠りの中へと入って行った
朝の光が差し込む部屋で 隣を見ると
大きく山に成っている 起こさないように
起き上がり そっとガラス戸を開けて
露天風呂に体を沈め朝の光に照らされる
山並みを眺め 昨日の夜の事を思い出して
顔を振り 体を拭いて浴衣を着ると
部屋の隅の椅子に腰かけて 緑の山並みに
視線を送り 今日からの事に思いを馳せる
街に戻ったら 直ぐに働く処と住まいを・・・
猛の布団が動き 猛が寝たまま目を開け
「 お早う御座います 寝られましたか? 」
啓子が頷き 少し赤い顔をして
「 お食事の前に お風呂へ入ったら? 」
猛は起き上がり 頷いて大きな体を揺すり
ガラス戸を出ていく 昨日の事は聞けないまま
啓子は 二人の布団からシーツを外し
部屋の隅に畳むと シーツを布団の上に乗せ
洋服に着替えて 椅子に座り 猛が露天風呂から
帰るのを待った
朝食も 昨日の食堂と聞いて 襖を開け 板の間を
通る 昨日の夜この部屋で 啓子は部屋を見回すが
部屋は奇麗に肩付けられて 夜に見た布団も無い
扉を開けて 囲炉裏の脇を通り 食堂に入ると
2組の夫婦が朝食を取っている姿が
テーブルに付き 女性が 御櫃に入ったご飯を
テーブルに置き給仕してくれ テーブルの上の
1人前のコンロに 着火をするとキッチンへ戻って行った
猛と食事をしている時に 隣のテーブルに一組の夫婦が
ご主人が奥様を前の席に座る様に言い 啓子は顔を上げ
昨夜の御主人と気が付いた 向こうも気が付いたのか
軽く頭を下げて来る 隣を見ると 夫人が驚いたように
猛を見て 視線をご主人に戻して微笑む処だった
夫人が甲斐甲斐しく ご主人の茶碗に ご飯をよそい
食事をしながら 会話しているのを 啓子は見ないように
食事を続け それでも隣の会話に 耳を傾けていた
ご主人が昨夜は先に寝てしまってと しきりに謝るのを
夫人が 素敵な処へ連れて来てもらって嬉しかった
また 此処へ連れてきて欲しいと頼むのを
嬉しそうにご主人が頷く姿を見て 啓子は支配人の
言葉を思いだす 夫婦の営みはそれぞれ・・・・
結婚前に付き合った男性も何人かいたが
変わった性癖の男性を知らないまま
則夫と結婚して このまま年を重ねて行くと
思っていたが 息子の幸せを考えられない男と
年を重ね 一緒の生活を送る事など 啓子には
到底我慢の出来る事では無い
この宿は 夫婦の絆を深める宿・・・
食事を終え お茶を口に含み
苦みの中の甘みを感じながら
啓子は頷いていた
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