11章 奈々

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「 後藤さんの奥様も、・・・・? 」 孝明の手が裸の背に回され、白い大柄な体を 孝明に擦り付け、大きな乳房が形を変え 胸に顔を乗せ啓子は聞いた 「 酒井が・・・・・・ 」 孝明が含み笑いをして啓子の背中に回した手に 力を入れ、啓子は体を孝明に押し付け太腿を 絡めた 「 酒井、後藤君の話を聞いた時に 奈々さんを   抱く気に成ったと言ってた、それまで奈々さんを   結婚式の時に会った、後藤の奥さん無縁の存在と   思っていて、後藤君が悩みを相談された時に   一つの計画を思いついたそうなんだ、真紀さんと   逢瀬を続けていれば、何れ奈々さんが気が付く   その時に相談相手に成って・・・そう考えて   酒井は2度程後藤君の家を訪ねて、奈々さんと   顔を合わせ会話を交わして、時々酒井の家に泊まらせて   新婚生活を邪魔して済まないと、奈々さんに   謝ったら、少し赤い顔をして、返事を返してくれたと   教えて呉れたよ 奈々さんは証券会社で営業をしていると   言ってた、男達の世界で営業、大した者だと思ったね、   男でも3か月、半年で消えていく世界の中で実績を上げる   手腕に、酒井も自分の処で働いて   貰いたいと零していたな、私も奈々さんと   お付き合いを始めて、何度も会話を交わして   奈々さんの人柄、知性の高さに惚れて   私の会社に誘った事も有ったけど、大きな目で   見つめて来て、首を振った姿に諦めたよ 」 ** 温泉から帰って、2か月余り経った頃、酒井の許に 奈々から思い詰めてような雰囲気で、電話が入った 「 酒井さん、・・・・ 」 酒井は奈々から掛かって来た電話が後藤の事と分かっていたが そ知らぬ振りで、  「 この間お邪魔した時はご馳走様 何か? 」 明るい声で話し、奈々に話を促す 「 ・・・・ 主人のことなんですが・・・ 」 消え入るような声で言って来る 「 後藤君、彼仕事頑張っているよどうした? 」 「 あの・・少しご相談に乗って頂きたいのですが   お時間頂いても宜しいでしょうか ? 」 奈々は一度に言いきり、受話器の向こうで息を吐き出す音を 酒井は聞いていた、手帳を取り出してスケジュールを確認して 「 時間は? 」 「 夕方5時以降でお願いできますか 」 酒井は手帳を眺め 「 明日の6時に、奈々さん勤め先は? 」 奈々の勤務先を確認して翌日駅前のホテルの喫茶室で 待ち合わせの約束をして、電話を切った 翌日待ち合わせのカフェルームに入ると、黒いパンツスーツの 奈々が立ち上がり頭を下げ、酒井は奈々の前に座り珈琲を オーダーして奈々の顔を見た、今年26歳か27歳 結婚して喜びを覚え、仕事も3年目証券会社の営業の中 上位に食い込む営業成績を上げ、時折後藤より給与が 上回っていると、後藤から聞いた事が有る、 聡明そうな瞳、肩までの髪を後ろで束ね、黒いバレッタが カフェの明かりを時折反射させ、項の白さを見せ 胸の膨らみはスーツの下のブラウスを押し上げ、 ウェストを絞ったスーツが奈々のウェストの 細さを教え 立って出迎えた時に パンツの長さと 少し大きめの腰のラインを酒井は見ていた 「 私に相談と言うと? 」 「・・・・・・・・・・・」 奈々はテーブルに置かれたティーカップに視線を送り 口を何度か動かして、また閉じて視線を動かさないまま 考える素振りの後、 「 夫が・・・大志が浮気・・・している・・の・かも 」 目の中に哀しみを浮かべ、酒井の目を見た 「 想像?それとも現場を見た? 女性と歩いていたとか? 」 奈々は首を振り俯いた 「 勘というのでしょうか・・・ 最近何か、可笑しいなと   感じることが多く成って、帰って来た時に彼の体から    石鹸の匂いがした事が有って、ジムでシャワーを浴びて来た   と言われたんですが、匂いがジムから帰って来た時の   匂いと違って・・・・それと・・・・・・ 」 奈々が頭を下げ、言い淀む、酒井は促した 「 それと 」 「 大志と・・・・夜・・・・・ 」 酒井は黙って、奈々の顔を見て次の言葉を待ち続けた 「 3か月、・・・・・無いんです 」 顔を上げた奈々の大きな目に涙が浮かんでいた 頭の中で言葉を探し、これからの事を考えて 酒井は口を開いた 「 ここ3か月、後藤君の仕事に変わりは無いな   私も此れから、後藤君の仕事や、行動を見て   奈々さんに連絡を入れてあげる、今彼は新しい   仕事に取り組んでいるから、ストレスなのかも   知れないよ、私も30代の時仕事に夢中になって   3か月位、女房を抱かなかった事が有ってね   ある晩女房が夜中に私のパンツを引き下ろして   夢中でしゃぶり付いて、大きく成ったら私の上に乗って   腰を動かした事が有ったな、女房がパンツを下げた時に   目が覚めてね、女房がどうするか見ていたんだよ   普段頼んでもしてくれなかったのに、私のにむしゃぶりついて   大きくしたら、跨って腰を振って、小さな声を出して   私が吐き出したら、自分で処理をして私のはそのままでね    朝起きてキッチンに行ったら、女房の機嫌が良いんだ   あの時思ったね、時々は奥さんも構って上げないと 」 酒井は隣を気にして小さな声で奈々に顔を寄せ、昔話を披露して 奈々の顔が少し赤く成り、笑顔を出してくる 酒井は立ち上がり 「 少し後藤君の事は、見て上げるから、私からも   それとなく、奈々さんを可愛がって上げなさいと   アドバイスしておくよ 」 奈々が立ち上がり明るい顔で、頭を下げ 少し赤い顔で 「 宜しくお願いします 」 酒井と変わらない身長の奈々が頭を下げ 二人はホテルのカフェルームを後にした
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