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翌日。
午前から講義に出たわたしは、同じく出席していた真奈美に誘われて、食堂でお昼ご飯を一緒に食べた。
昨夜の名残でまだ少しだるさが残っていたが、自分でも少しずつ食事を取り始めたせいもあってか、調子が戻ってきていた。
「大丈夫そうだね」
箸でうどんを持ち上げていると、真奈美がほっとしたような顔で言った。
「うん。昨日は本当にありがとう。もし、今度真奈美に何かあった時には、私に任せて」
「ふふ、ありがと」
わたしはうどんを飲み込んでから、おずおずと訊ねた。
「あの、さ。良平は……?」
「ん?もう心配ないってことは、電話で言っておいた。あと、みやびがありがとうって言ってたことも」
「何か……言ってた?」
「そうか、ってひと言」
「そう……」
真奈美は最後のオムライスを口に運び、味わうように咀嚼すると満足そうに飲み込む。水を一口飲んでから言った。
「昨日も言ったけど、あとはもう、良平次第だし」
「うん……。でも、ごめんね。この関係を壊しちゃった……」
「まぁ、ね。でもあたしは、みやびとさえ仲良くしていられたら、それでいいんだけど」
わたしは苦笑した。
「ありがとう」
「それよりさ、みやびの相手の人、いつ紹介してくれるの?」
「ん……そのうちにね」
「待ってるからね。……あ、良平だ」
真奈美は食堂の入り口に目を向けて、軽く手を挙げた。
つられてわたしも目をやったが、良平はふっと顔を背けると奥の席へと行ってしまった。
「ま、普通にしろっていう方が無理か」
真奈美は苦笑すると、さて、と立ち上がった。
「そろそろ行こうか」
「う、うん」
促されてわたしも席を立った。
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