― 嫉妬心 ―

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彼はふっと微笑み、わたしの首筋に唇をつけて強く吸った。 「あ……」 「印だよ」 是周の腕が体に回された。 わたしもまた、彼の首に腕を回してその耳に囁いた。 「好きなのは、あなただけです」 わたしは是周の脚の間に膝立ちすると、自分から彼に口づけした。 そんなわたしの行動は意外だったのか、彼の目がわずかに開かれた。けれどすぐに応えるように、彼はわたしの唇の奥に舌を差し入れた。 互いの息づかいと舌を絡ませ合う音が、静かに響く。 首筋を撫でていた彼の手が滑り降り、ワンピースの胸元のボタンを外していった。続いてわたしの腕を袖から引き抜き、次にキャミソールを脱がせていく。最後に残ったブラジャーのホックを外す彼の手が、背中で不器用に動いた。 ブラジャーの肩ひもをそっと取り去ると、是周は目の前に現れたわたしの素肌に愛おしそうに触れた。 「きれいだ、とても」 好きな人からそんな風に言われて、嬉しくない女性はいないはずだ。 「ありがとう、ございます」 わたしは小さな声で言った。 「本当に触れてもいいのかと、ためらってしまうくらいだ」 「触れて、ください……」 言ってから、慌てて是周の表情を確かめる。 はしたないと思われなかっただろうか――。 是周の目が熱を帯びた。わたしを静かに横たえると、気持ちをぶつけるかのように激しく口づけた。首筋から胸元へとゆっくりと唇を這わせていく。 彼の吐息が熱くて、わたしは甘い声をもらした。 「は……あ…………」 是周が胸の先端を口に含んだ。その小さな丸みを、熱を帯びたその舌で転がすように舐め始めた。 「ん……あ……は……」 体の芯から沸き起こった快感が全身に広がって、こらえきれなくなったわたしは吐息まじりの声をもらした。
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