それはメガネ攻めと健気受けですね

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 ――死ぬ前に、お父さまとお母さまにはお会いしたいわ。その辺は、考慮してもらえるのよね。  ソファにゆったりと腰をおろして、ジーニアは思った。  ――それより、このルートは一体何ルートなのかしら。  ということも気になっていた。  あと五日、何をどのようにして過ごすべきか。と考えていた時。 「ジーニア嬢。わかった、わかったぞ」 「ジュード様。お待ちください。ノックもせずに女性の部屋の扉を開けるのは失礼です」 「ノックなど悠長なことを言ってる場合ではない」  ――まさかの、ここでジュミー。ジュミーなの?  ジーニアはトクトクと早くなる鼓動を落ち着かせるように、侍女のルイーズを呼んだ。彼女は「あら、ジュード様、どうされましたか?」と口にしているが、恐らく、ジュードがジーニアの部屋を訪れたということは、すぐさまクラレンスに伝わることだろう、と思われた。 「ジュード様。どうされましたか?」 「そうそうそう。ジーニア嬢。君の呪いの解呪方法がわかったのだよ」  そこでジュードは右手の中指で眼鏡を押し上げる。隣でミックがはらはらとしながら見守っている様子が、オープニングムービーを思い出させる。  だが、ジーニアはその解呪方法を今、ジュードから聞いていいのだろうか、とも思った。クラレンスやジェレミーにも同席してもらった方がいいのではないだろうか。それを素直に口にする。 「あの。クラレンス様やお兄さまはお呼びしなくてもよろしいのでしょうか?」 「ああ、そうだな。ジェレミーが兄だと言っていたな。おい、ミック。ジェレミーを呼んでこい」 「その必要は無い」  ジーニアは顔を見なくてもわかった。その声の主が。 「殿下。どうしたのですか?」 「どうもこうもない。貴様がジーニア嬢の部屋に現れたと聞いたからな」  もちろん、情報源はルイーズだろう。クラレンスからどのような指示を受けているのかわからないが、恐らくジーニアに関することは逐一報告をしているはず。 「ジュード殿。一体、何が起こるんですか?」  クラレンスの背後から、ジェレミーも現れた。となれば、漏れなくグレアムもついてくる。  ――また八時でもないのに全員集合しちゃったわ……。  ジーニアの中の人にとって、全員集合と言えば八時らしい。だが、その言葉を知っているだけで、実際にはどのようなものかはわからない。 「ルイーズ。お茶を頼む」  全員集合の他に、ルイーズまでいた。彼女は手際よくお茶を淹れると一礼して去っていく。できることなら近くにいて欲しかった、というのがジーニアの本音。 「さて、ジュード。貴様がジーニア嬢の部屋に現れた、ということは。彼女の解呪方法がわかったということだな」  クラレンスの言葉に、ジュードはニヤリと唇の端を持ち上げた。
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